(注:2020年の新型コロナウィルスに関わる自粛で自宅に籠もっている間、30〜50年ほど前のネガ・紙焼きの写真をスキャンしたものを修復加工し、古い山日記のデータと合わせて手直し、ブログ化)
1972年5月29日(月曜日)。5時45分起床。雲は少ないがガスが出ていて、昨日ほどの好天ではないようだ。
朝食を済ませ7時に出発。
今日は、一ノ越から御山谷を下り、東一ノ越からタンボ平を経て立山ロープウェイの黒部平駅まで滑るつもり。
昨日、今日と山荘を出るのは一番早い。
今日は雪が良く締まっていて、スキー靴でも歩きやすい。
一ノ越への登りは、踏み跡をたどると歩くリズムを強制されて返って疲れるのでこれは避け、新しい雪面を歩く。
雲はいつの間にか少なくなり、素晴らしい青空の天気になった。
8時10分過ぎに一ノ越に着く。(雷鳥荘の標高2370m、一ノ越標高2705m、標高差335m。)
登ってきたルートを振り返り、室堂と大日尾根を撮った。
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御山谷へ入る前に、近くに居た人に撮ってもらった私の写真と龍王岳の写真を一枚に合成。
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私の頭のすぐ後ろ遠くに槍ケ岳・穂高連峰、龍王岳左下遠くに笠ヶ岳も見える。
御山谷は綺麗に雪がついていて、滑るのに実に良さそうだ。後から来た登山者が、一人で御山谷を下っていった、見ていると雪に埋まった夏道のある辺りを東一ノ越へ向かっている。
スキーヤーが数人登ってきたが、登ってきたコースを室堂へ向けて滑べるようだ。
ゆっくり休憩して、9時に滑り出す。
谷は広々としていてシュプールもなく実に滑りやすい。
御山谷の真ん中から龍王岳を見上げたところ。
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快調に滑っていて、もう少しで東一ノ越へのトラバース高度を通り過ぎるところだった。
谷の中央から緩い斜滑降で、東一ノ越への夏道が見えている地点までトラバース。
東一ノ越まではあと僅かだが、この間はスキーを脱いで歩くしかない。東一ノ越からタンボ平への雪斜面に関しては全く知見がないので、とりあえずスキーをデポして東一ノ越まで歩いて様子を見てみることにした。
夏道は意外に良く整備されていてフラットで、スキー靴でも歩きやすく10分弱で到着。東一ノ越からは立山東面が見渡せ、立山ロープウェイの全景が見える。タンボ平までのスロープの雪は非常に良さそうで、直ぐにここを滑ることに決める。
引き返し、10分ほどでスキーのデポ地点へ戻る。
暫く休んで、10時にスキーを担いで、再び東一ノ越へ向かう。
東一ノ越で、沢山写真を撮った。
東一ノ越から振り返って見た龍王岳と鬼岳。
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立山東面とタイマーで撮った自撮り写真を合成。
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立山ロープウェイの大観峰駅と黒部平駅の入った2枚の写真を合成。
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後立山連峰には、右から鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳と続き、白馬鑓ヶ岳・杓子岳が重なりその後ろに白馬岳が僅かに見える。
ジュースを飲んで元気をつけ、スキーを履いた。
東一ノ越からの出だしはかなり急なので、右へ斜滑降で逃げ、キックターンで左へ長い斜滑降をの後、大きく回りながら自由にシュプールを描き、コースを左手寄りに維持することを意識しながら、ロープウエイ中間直下あたりを目安にどんどん滑り下る。
タンボ平の半ばから見た大観峰駅とロープウェイのゴンドラ。
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ロープウェイ中間下まで来たので、カメラを出す。ロープウェイの乗客が盛んに手を振っているのが見える。
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黒部平駅の南側から滑ってきた一ノ越とタンボ平を見上げる。
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黒部平駅の南側から立山東面を見上げる。
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大観峰と黒部平の駅の建物が予想していたよりずっと大きくて驚いた。
10時50分過ぎに、黒部平駅南側でスキーを脱いだ。
食堂でカレーを食べたが、高い割に美味くない。残念。
乗り場の職員さんに写真を撮ってもらったり、周囲の山の写真を撮ったりした。
黒部平駅から見た針ノ木岳と黒四ダム。
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12時10分発の、ロープウェイに乗るのは、私と山歩きスタイルの若い女性の3名だけ。
黒部平駅から室堂までの運賃は、ロープウエイ600円、バス1000円、スキーの手荷物料金がそれぞれに100円で、合計で1800円。なんと高い運賃だこと。(因みにこれを編集した2020年6月現在では、3520円で手荷物料金はなし。)
ただ、眺めは素晴らしい。
乗車中に撮った写真。
黒部平駅を見下ろす。正面は赤沢岳。
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大観峰駅を見上げる。
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大観峰12時30分発のバスに乗って10分で室堂に着く。
13時過ぎに雷鳥荘に帰り着いたら、小屋の前で、立山入りした26日と昨日、劔御前小屋で一緒だった人達と出会う。一ノ越から御山谷・タンボ平を滑った話をすると、今からそちらへ向かうことにすると言う。午後に入ってからで大丈夫か?と一瞬疑問が浮かんだけれど、滑りは上手い人達だから大丈夫だろう。(自分も何かあれば軽率と言われかねない単独行だから、人様の行動をとやかく言える立場ではない。)
雷鳥荘で美味しいうどんの昼食の後、カメラを持って遊びにでる。
雷鳥沢全景。
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立山全景。
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ハイマツの中で昼寝。
16時に一番で綺麗な風呂に入る。日焼けした顔が痛い。
夕日に照らされた立山。
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大日尾根の肩に沈む夕日。
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夜は、小屋の人達とギターで歌を歌って盛り上がった。