ヨットを始めて、ざっと38年ほどになりますが、ライフジャケットを着けていたら、助かったかもしれないというヨットやボートでの事故を何度も見聞きしてきました。
私が最初にヨットの練習したのは、YAMAHA15(Y-15と表記すると横山氏設計のY-15と混同します)という15feetのYAMAHAのラウンドボトム艇で、コロコロと良く沈する艇でした(^_^;)。
ディンギーでのヨットの練習では、沈しても起こして再帆走することが出来なければセーリングの練習になりませんので、まず最初に沈起こしの練習があります。ですから、当たり前に最初からライフジャケットを着用します。
この最初の沈起こしで、泳ぎに自信があった私も、水の上で何か作業をするには、ライフジャケットの浮力を借りなければ無理だなと直ぐに分かりました。
そんなことで、それからの25年ほどのディンギー乗りの時代は、何の躊躇もなくウエアの一部としてライフジャケットを着けていましたから、12年前にディンギーを大きくしたようなミニ・セーリングクルーザーに乗り換えた時も、違和感無く自然に常時ライフジャケットを着けていました。
今でもこんな具合です。
見て分かるように、法定備品として元から艇に備わっていた通常の浮力体を縫い込んだライフジャケットです。浮力は8.5kg。
近年、セーリングクルーザーでも常時ライフジャケットを着用することが推奨されて、それと共に着ていても邪魔にならない「インフレータブル・ライフジャケット」に人気が集まっているようです。
そこで、「インフレータブル・ライフジャケット」「膨張式ライフジャケット」をGoogleで検索して、調べてみました。
ヒットしたページを読んでみて、ちょっと気になる(不安になる)こんな記事がアップされているのを見つけました。
●From Ocean (Ken's diary)というブログの、2008年5月31日の記事『リコールのお知らせ』
その要旨は、「Seago社のインフレータブルライフジャケットのモデル150及びジュニア用を含む175Newtonで大事になり得る欠陥がある可能性があります。」とのことです。
●ヤマハ発動機(株)グループの株式会社ワイズギアのホームページの記事『ワイズギア膨脹式ライフジャケットの回収・無償修理についてのお願い』
「株式会社ワイズギアが販売致しました『膨脹式ライフジャケット』において、付属のキャップを使用し排気する正しい操作方法をお願いしておりますが、誤って指で押して排気すると補助送気管にある逆止弁がロックし、再使用する際に膨脹せず浮かばない恐れがあることが判明しました。」とのこと。
対象商品は、(2007年5月〜2007年10月製造分)の12,486着。
詳細は上記ページに。
●ヤマハ発動機(株)グループの株式会社ワイズギアのホームページの記事『膨張式ライフジャケット(平成14年製造分)の無償修理についてのお願い』
「株式会社ワイズギアが販売した『膨脹式ライフジャケット』(平成14年製造分)において、着水時に補助送気管の先端部のバルブが外れ、膨脹後に空気が漏れて、適正の浮力を確保できなくなる恐れがあります。」とのこと。
対象商品は、(2002年4月〜2002年9月製造分)の6,609着。
詳細は上記ページに。
どの程度の頻度で、このような不具合が生じるのかは分かりませんが、落水した緊急時に自動あるいは手動で膨らむはずのものが膨らまなかった、あるいは空気が漏れたりする可能性が少しでもあるとしたら、これは不安です。
一方、従来型の、浮力体を縫い込んだタイプのライフジャケットは、着てさえいれば何時でも8kg〜9kgの浮力を確保してくれます。確かに嵩張りますが、安心です。
そして着慣れると、案外良い点にも気が付きます。暖かいこと(夏には、暑いという欠点にもなりますが、夏はいずれにしても暑いですから)。ライフラインなどに長時間寄りかかっていても、フォームがクッションになって背中や胸が痛くならないこと。デッキやコクピットでの昼寝の時にも、背中のクッションが快適。
そんなこんなで、確かに見た目は不細工で、嵩張る割には浮力も膨張式に比べれば少ないけれど、当分、今までのままで過ごそうかなと、考えているところです。