2010.01.30 Saturday
京都・東山・清水二年坂・三年坂周辺を散策
昨日(2010年1月29日金曜日)、ワイフと二人で京都東山の八坂の塔から二年坂・三年坂周辺を散策してきました。
ワイフと二人で、特に目的も持たず京都の町をぶらりと訪れるなどと言うことは久しく無かったことです。切っ掛けは、たまたま貰った「阪急阪神1dayパス」があったからです。天気は快晴、風も弱く昼の日差しはそこそこ暖かくなりそうです。家を10時に出ました。
冬の平日なので、観光地の京都でも人出は少ないだろう予想して出かけました。京都線特急で終点四条河原町下車。四条通を東へ・四条大橋を渡り、八坂神社前から東大路通を南へ。10分弱で、東へ向かう八坂通りへ入ります。坂の上に五重塔が見えました。
これが法観寺の八坂の塔。JR京都駅南西にある東寺の五重塔と並んで京都のシンボル的な五重塔だとのことです。
間近から見上げたところ。
塔を間近に見上げると、八坂の塔が歴史的に古い物であると言うこととは別に、建物そのものが古びているというか老朽化しているのが素人目にも分かります。瓦の下の軒板の端が腐って掛け落ちて穴が空いたりしているのに驚きました。
ワイフと二人で指さしながら「あんなに腐っていたら、早く修理しないと大変なことになるのでは」などと話していると、その話声が聞こえたのか、塔の下の遊歩道の修理をしていた職人さんが、「ちょっと大きな地震でも来たら、瓦が落ちよる。早う何とかせんと。」と仰っていました。
塔の下を南側に回り込むようにして通りが東へ向かい、緩い上り坂が続きます。
200mほどで高台寺の前から南へ向かって続いている二寧坂(二年坂)の石畳の道と合流して、さらに南へ続く産寧坂(三年坂)の道になります。
北の方向、二寧坂(二年坂)を見下ろしたところ。
この辺り一帯は、小さな路地の中までも土産物屋や各種細工物を売る店、工芸品の店、菓子屋、食べ物屋、甘味処などがひしめいています。人力車で巡る定番コースでもあるらしく女性を乗せた人力車がそこここに見られます。和装の店では着物など一式をレンタルし着付けやお化粧などもしてくれるサービスがるようで、着物で着飾った若い娘さん達が急にお淑やかになって写真を撮ったり撮られたりしている様子も見かけました。
産寧坂(三年坂)最後の急な階段。
これを登り切ると清水坂に出合います。そこから左(東方向)が清水寺。今日は、この産寧坂(三年坂)手前まで。
清水寺への参道には、この他にも五条坂やら茶わん坂など、どの方角から来る道にも坂があって、いずれにしても清水寺へは坂を登らなくては行けないということです。大変。
京都の中心部にはあちこちにレンタサイクルがあって、京都市内観光には案外自転車が便利なのですが、この清水寺周辺の石畳の坂と階段のある辺りは、ギア付きMTBタイプのレンタサイクルでも登ることは出来ないのでかえって不便かもしれません。坂の下近くまで自転車で来てどこかに自転車を留め置き、この坂の周辺からは歩いて散策するというのが正解でしょう。
丁度お昼時でしたから、産寧坂(三年坂)を前にした辺りで食事処を探すことになりました。坂の下に案内板があって左(東)へ入ると直ぐの和食のお店「うえむら」で日替わりのランチが頂けるということなので行ってみました。
和室一部屋の小さな店で、靴を脱いで上がるとテーブルが三つに、壁際のカウンターの様な席があります。15人も入れるかどうかと言う席数です。掘り炬燵の様に足が下ろせるようになっているので座り姿勢が楽で寛げます。
昼時に入っていましたが先客が7人ほどで、壁際の席に着きました。
注文したのは、坂の下の案内板に記されていた品から、ワイフはホタテの炊き込みご飯に季節の天ぷらとおばんざいのセット、私は天丼。
この「うえむら」さんは、鮮魚が専門の本格的な魚屋さんなのだそうです。ホタテの炊き込みご飯や天ぷらなどが美味しいはずです。納得。
私たちの後で、隣に座られたのが80才を越えているように見える白髪頭で細身の上品なお婆さん。ワイフと同じ日替わりのランチ(ホタテの炊き込みご飯)を注文されました。
私たちは食事が終わり、ワイフが先に立ち私が会計を頼んで席で待っている時に、隣のお婆さんの様子がおかしくなりました。ゆっくりと後向きに身体を倒して横になってフーッと息を漏らされ、ささやくような小声で「ちょっと気分が悪くて」と仰いました。意識はあるのですが、反応が少し鈍くなって、会話が途切れます。お店の若い女の方が直ぐに脇に寄り添われ「大丈夫ですか」と声を掛けられると、「横になって休みたい」と言われたようでした。が、その直ぐ後に、仰向けのまま食べた物を口から戻され始めました。お茶と僅かにご飯を食べられたばかりのようですが、薄い胃液と一緒に逆流したようです。
私の母がひどい胃下垂で、食べた物の腸への移動が十分でないことがあると、気分が悪くなり胃に溜まった食べ物を胃液と一緒に戻すことがありました。ですから似たような状態を何度か経験しています。そこで、戻した物が気管に詰まったりしない様に、寝たままの姿勢で左足を右足の上にクロスするように置いて身体全体と顔が右を向くようにしました。ぐったりとされてはいますが、戻した嘔吐物は口を動かして出されていますし、呼吸も鼻から自然に出来ているようです。その間に、お店の方は、万が一の事を考えて直ぐに救急車を呼ばれました。
私たちはその直後に店を出て三年坂下の通りにいましたが、電話から5分もしない内に救急車がやってきたようです。意識がちゃんとありましたから、大丈夫だろうとは思いましたが、お歳がお歳ですから脳や心臓などに何があっても不思議ではありません。救急病院で対応されるのが一番だろうと思いました。
そのお婆さんは、お店の近所で一人住まいをされていて良く来店されると言うことでした。大事でなければ良いのですが。
この後、鴨川の遊歩道を三条まで歩き、そこから寺町通りを逆に四条までお店を覗きながらぶらぶら南下しました。四条河原町から阪急に乗って、午後4時半頃に帰宅しました。
一日経った今日(2010年1月30日土曜日)、どうにもその後の様子が気になって仕方がないので、鮮魚「うえむら」さんに電話してその後の様子を問い合わせてみました。すると幸いなことに大きな問題は無く元気を取り戻されたようです。そして、今日も来店されたようですが、昨日の今日なので大事を取って重いご飯ではなくて軽いうどんを勧めて食べて頂いたとのことでした。良かった、良かった、大安心。
帰ってから、この三年坂周辺のお店のホームページやブログなどを探して訪問していたら、こんな記事を見つけました。三年坂のすぐ下の通りの西側に安政二年(1855年)から店を構えておられる京焼・清水焼の「谷口松韻堂」の店長さんのブログの2009年10月4日の記事『 鮮魚 うえむら | その時、店長は見た! 』です。
近所の人たちの評判が良いのですから、良心的で美味しいお店だと分かりますね。
ワイフと二人で、特に目的も持たず京都の町をぶらりと訪れるなどと言うことは久しく無かったことです。切っ掛けは、たまたま貰った「阪急阪神1dayパス」があったからです。天気は快晴、風も弱く昼の日差しはそこそこ暖かくなりそうです。家を10時に出ました。
冬の平日なので、観光地の京都でも人出は少ないだろう予想して出かけました。京都線特急で終点四条河原町下車。四条通を東へ・四条大橋を渡り、八坂神社前から東大路通を南へ。10分弱で、東へ向かう八坂通りへ入ります。坂の上に五重塔が見えました。
これが法観寺の八坂の塔。JR京都駅南西にある東寺の五重塔と並んで京都のシンボル的な五重塔だとのことです。
間近から見上げたところ。
塔を間近に見上げると、八坂の塔が歴史的に古い物であると言うこととは別に、建物そのものが古びているというか老朽化しているのが素人目にも分かります。瓦の下の軒板の端が腐って掛け落ちて穴が空いたりしているのに驚きました。
ワイフと二人で指さしながら「あんなに腐っていたら、早く修理しないと大変なことになるのでは」などと話していると、その話声が聞こえたのか、塔の下の遊歩道の修理をしていた職人さんが、「ちょっと大きな地震でも来たら、瓦が落ちよる。早う何とかせんと。」と仰っていました。
塔の下を南側に回り込むようにして通りが東へ向かい、緩い上り坂が続きます。
200mほどで高台寺の前から南へ向かって続いている二寧坂(二年坂)の石畳の道と合流して、さらに南へ続く産寧坂(三年坂)の道になります。
北の方向、二寧坂(二年坂)を見下ろしたところ。
この辺り一帯は、小さな路地の中までも土産物屋や各種細工物を売る店、工芸品の店、菓子屋、食べ物屋、甘味処などがひしめいています。人力車で巡る定番コースでもあるらしく女性を乗せた人力車がそこここに見られます。和装の店では着物など一式をレンタルし着付けやお化粧などもしてくれるサービスがるようで、着物で着飾った若い娘さん達が急にお淑やかになって写真を撮ったり撮られたりしている様子も見かけました。
産寧坂(三年坂)最後の急な階段。
これを登り切ると清水坂に出合います。そこから左(東方向)が清水寺。今日は、この産寧坂(三年坂)手前まで。
清水寺への参道には、この他にも五条坂やら茶わん坂など、どの方角から来る道にも坂があって、いずれにしても清水寺へは坂を登らなくては行けないということです。大変。
京都の中心部にはあちこちにレンタサイクルがあって、京都市内観光には案外自転車が便利なのですが、この清水寺周辺の石畳の坂と階段のある辺りは、ギア付きMTBタイプのレンタサイクルでも登ることは出来ないのでかえって不便かもしれません。坂の下近くまで自転車で来てどこかに自転車を留め置き、この坂の周辺からは歩いて散策するというのが正解でしょう。
丁度お昼時でしたから、産寧坂(三年坂)を前にした辺りで食事処を探すことになりました。坂の下に案内板があって左(東)へ入ると直ぐの和食のお店「うえむら」で日替わりのランチが頂けるということなので行ってみました。
和室一部屋の小さな店で、靴を脱いで上がるとテーブルが三つに、壁際のカウンターの様な席があります。15人も入れるかどうかと言う席数です。掘り炬燵の様に足が下ろせるようになっているので座り姿勢が楽で寛げます。
昼時に入っていましたが先客が7人ほどで、壁際の席に着きました。
注文したのは、坂の下の案内板に記されていた品から、ワイフはホタテの炊き込みご飯に季節の天ぷらとおばんざいのセット、私は天丼。
この「うえむら」さんは、鮮魚が専門の本格的な魚屋さんなのだそうです。ホタテの炊き込みご飯や天ぷらなどが美味しいはずです。納得。
私たちの後で、隣に座られたのが80才を越えているように見える白髪頭で細身の上品なお婆さん。ワイフと同じ日替わりのランチ(ホタテの炊き込みご飯)を注文されました。
私たちは食事が終わり、ワイフが先に立ち私が会計を頼んで席で待っている時に、隣のお婆さんの様子がおかしくなりました。ゆっくりと後向きに身体を倒して横になってフーッと息を漏らされ、ささやくような小声で「ちょっと気分が悪くて」と仰いました。意識はあるのですが、反応が少し鈍くなって、会話が途切れます。お店の若い女の方が直ぐに脇に寄り添われ「大丈夫ですか」と声を掛けられると、「横になって休みたい」と言われたようでした。が、その直ぐ後に、仰向けのまま食べた物を口から戻され始めました。お茶と僅かにご飯を食べられたばかりのようですが、薄い胃液と一緒に逆流したようです。
私の母がひどい胃下垂で、食べた物の腸への移動が十分でないことがあると、気分が悪くなり胃に溜まった食べ物を胃液と一緒に戻すことがありました。ですから似たような状態を何度か経験しています。そこで、戻した物が気管に詰まったりしない様に、寝たままの姿勢で左足を右足の上にクロスするように置いて身体全体と顔が右を向くようにしました。ぐったりとされてはいますが、戻した嘔吐物は口を動かして出されていますし、呼吸も鼻から自然に出来ているようです。その間に、お店の方は、万が一の事を考えて直ぐに救急車を呼ばれました。
私たちはその直後に店を出て三年坂下の通りにいましたが、電話から5分もしない内に救急車がやってきたようです。意識がちゃんとありましたから、大丈夫だろうとは思いましたが、お歳がお歳ですから脳や心臓などに何があっても不思議ではありません。救急病院で対応されるのが一番だろうと思いました。
そのお婆さんは、お店の近所で一人住まいをされていて良く来店されると言うことでした。大事でなければ良いのですが。
この後、鴨川の遊歩道を三条まで歩き、そこから寺町通りを逆に四条までお店を覗きながらぶらぶら南下しました。四条河原町から阪急に乗って、午後4時半頃に帰宅しました。
一日経った今日(2010年1月30日土曜日)、どうにもその後の様子が気になって仕方がないので、鮮魚「うえむら」さんに電話してその後の様子を問い合わせてみました。すると幸いなことに大きな問題は無く元気を取り戻されたようです。そして、今日も来店されたようですが、昨日の今日なので大事を取って重いご飯ではなくて軽いうどんを勧めて食べて頂いたとのことでした。良かった、良かった、大安心。
帰ってから、この三年坂周辺のお店のホームページやブログなどを探して訪問していたら、こんな記事を見つけました。三年坂のすぐ下の通りの西側に安政二年(1855年)から店を構えておられる京焼・清水焼の「谷口松韻堂」の店長さんのブログの2009年10月4日の記事『 鮮魚 うえむら | その時、店長は見た! 』です。
近所の人たちの評判が良いのですから、良心的で美味しいお店だと分かりますね。
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